もなか

欧州ど田舎暮らしで母国語のアウトプットに飢えているのでネットの森に穴掘って王様の耳はロバの耳

Marilyn Manson

ホーリー・ウッド~イン・ザ・シャドウ・オブ・ザ・ヴァリー・オブ・デスメカニカル・アニマルズアンチクライスト・スーパースター マンソンさんは気づけばソーセージなオヤジ。10代の頃、初めてPVを観たときには痺れました。ジャパンのびじある系など足元にも及ばぬその存在。3部作までは乙女心全開で好きだったのです。アンチ・キリスト時代はなんともまあ、針金のごとくひょろひょろだったマンソンさんは恐いバービー人形ちゃんのよう。むしろティム・バートンのデザインしたキャラみたいだった。
 やがて赤毛のポップでキュートなバービーちゃんになり、この頃はもうグラムなファッションが相当イケてて、そりゃもうヴィジュアルがMAXで好きだったのです。私はこの赤毛のバービーちゃんをこよなく愛しており、あの頃の輝きをもう一度!とすっかり人間になったオヤジマンソンに、未だにどこかこう、期待をしてしまうのです。もはやセレブとなったマンソンさんは、ねとねとしたコンプレックスやら絶望やら怒りとかいうことを叫ぶ必要がなくなっちゃたんだ。それに第一、私自身が大人になっちゃったのだ懐かしいよ。
 けれど米国の文化や社会の影の部分を皮肉りまくり、いじめられっ子の逆襲みたような姿は凄まじいながらも切実さがあり、その奥にどこか知的なイデオロギーがあって超かっこよかったのです。もうもう、クソかっこよかった。We love hate! We hate love!ボウリング・フォー・コロンバイン [DVD] そうして、マイケル・ムーアの『ボウリング・フォー・コロンバイン』では一番ブリリアントだった。しかしどうだろうか、太るだなんて想像だにしなかった。
 完全なる人間化をとげ、悪意と恐怖のイデオロギストも今ではどこか可愛さと可笑しさがありますね。スターだよ、マンソン。