フランスの言葉を話せたらと夢を見る
ぼんじゅーる あんしゃんて ぶ・されびあん? こまんたれぶ じゅまぺーる・もにか じゅ・すぃ・じゃぽねーず めるしーぼく えくすきゅぜもわ けすくせ? ぼくわ? じゅぬせぱ だこーる ちゅあれぞん ぼんそわ おるぼわ あんかふぇしるぶぷれ せらヴぃ とぅわ せそん あん・どぅ・とわ・かと・さんく・おんず じゅてーむ さりゅ さば ぼんにゅい ぼんぼやーじゅ ぼなぺてぃ びあん とれびあん あでゅ
これがフランス語の精一杯。生身のフランス人が喋っているのを聞いていて、笑うくらいに何一つ分かりませんでした。しかしそこは持ち前の育ちの良さからか、話している人がいれば目を見て聞かなくてはいけないと思い、しっかり目を見て真剣に聞き入りましたが、余りに分からないので、もうずっと、ああかっこいいなぁフランス語は。など考えていました。
そうすると、話すフランス人も私をたまに見て、それがまた非常に楽しそうに、時ににこにこしながらお話をする。今あなたと私は目が合ってもいるけれど、ごめんなさい。ちらほら出てくる人名しか聞き取れてないから。そこで日本人のいけないのは、相手が微笑んでいるのならと曖昧な笑顔を浮かべてしまうことですね。ジャパニーズが最も非難される、あのはっきりしない表情で。これを表す美しい日本語があります。「愛想笑い」。
そうして、フランス語をジャポネおっさんがべらべら喋りだしたときには心底びびりました。インテリ度倍増。眩しくてその人が見えなかった。クソかっこいい。どうして嫌味の無いインテリはこうも格好良いのだろう。私に無いもの、つまりはインテリジェンスであるからですかそうですか。外国語をべらべら喋りたいの。べらべら喋る自分に酔いたいの。じゃあ相応の努力だよねと脳内小人が言います。わかってる理屈では。でも私は、明日起きたらべらべらになっていたいの。
そもそも、70は60+10、71は60+11、80が4×20、81が4×20+1、90が4×20+10で、それで、それで、で?まずその数字の数え方からして正気の沙汰じゃない。無理。おフランス人が、自分たちの言語が世界一と思うのも分かる気がする。こりすぎ。しかし、おっさんでロンゲが映えるのもまたフランス人ゆえ。