もなか

欧州ど田舎暮らしで母国語のアウトプットに飢えているのでネットの森に穴掘って王様の耳はロバの耳

恐怖音楽

mxoxnxixcxa2006-02-07

 かつて好んだジャンルがただやかましく思え、ここ数年はどんどん無音状態を好むようになってきた。どんなの聴くの?と訊かれた時に、ジャズとか好きですね、某の枯れた感じはなかなか良いよねとか言ってみたい。すごく大人な感じだ。
 幼少期メトロノームに合わせて弦楽器をぎーぎーいわせていた所為か、ジャズのあの宙に浮くような浮遊感とつかみ所の無いテンポとずれた拍子と崩したリズムがもう、どうしても駄目。かっちりして欲しいの。ぴたりはまって欲しいの。だから、しつこいリフレインがだめ。タメの引き延ばしがだめ。腰が浮くような感じがしてだめ。それこそがジャズの醍醐味なんだと分かっていてもだめ。落ち着かないどころかいらついてしまう。なかなか大人にはなれないものだなぁと感じた日。
恐怖音楽 だから、相当前に買ったまま放置してあったこんなものを聴いてみた。思い切りジャケ買いの一枚。店頭で発見したときには笑いました。
 正直恐いのかどうかはちょっと分からないんだけれど、重い曲ばかりなのは確か。「魔王」、ムゾルグスキーの「はげ山の一夜」、ペールギュント山の魔王の宮殿」、ショパン葬送行進曲」なんかは、ああやっぱり入ったか!というなにやら喜びのようなものまで感つつ、恐い音楽ってそういえばどんなのだろうと考えていたら、15曲目の「恐れ」はものすごうく人の神経をざらっとさせるというか、追い詰められた女が叫んでいるようでこここ恐いよ!
 この曲は別題が「あぁ、あぁ、おぉ!」 この時点でもう絶妙な力加減でツボを押すのでクスっときた。しかも歌詞の内容が「あなたとの素晴らしい思い出を葬り去らないで」というラブソング。これは作曲家メシアンが妻のために書いた作品だそうだ。へえ…すごい…変な笑いが込み上げてくるよ…。このように、一曲ごとの解説がまた可笑しい。
夜 -“月に憑かれたピエロ”より」 「疾病が私達に襲いかかる」 「地獄への騎行」 「悪魔の勝利の行進曲」 「幽霊-恐怖の踊り」 「幽霊船の合唱」 「邪教の神、そして悪の精の踊り」 「魔王カスチェイの凶悪な踊り」 「死の舞踊」 「中国人は最後の力をふりしぼって女に飛びつく
 このように羅列してみるとまあ、タイトルがこわ!おどろおどろしい曲名でのみ統一されたこの一枚。ラストの「オーメン」のメインタイトルがまた効いています。
オルフ:カルミナ・ブラーナオルフ:カルミナ・ブラーナ 合唱曲もいくつかあって、こういう重い合唱曲と恐怖が結び付けられるのは、やはりオーメンの功績じゃなかろうかと思った。なので、「カルミナ・ブラーナ」の「おお、運命よ」が入っていればもう、文句なしだったのに。
「おお、運命よ」は ここ と ここ と ここ で試聴が。ともに1曲目。