『最後の晩餐』
原題:LA GRANDE BOUFFE(大食い) 監督:マルコ・フェレーリ
生きることに絶望した食道楽のブルジョワ中年男たちが、死ぬまで喰い続けるために集まり、文字通りノンストップ・ギブアップなしで最高級料理を次から次へと食べ続ける、性と食を主題にしたブラックコメディ。陽気に酒池肉林。
マルチェロ・マストロヤンニ、ウーゴ・トニャッツイ、ミシェル・ピコリ、フィリップ・ノワレという、目を見張るような伊・仏映画の代名詞的重鎮俳優たちが、嬉々として演じる命がけの悪ふざけというか、本気のお遊び。しかしてこの映画が単なるど変態ムービーと笑い飛ばせないのは、突き抜けるあまり何だかある種の愛しささえも覚えるような悪趣味の向こう側に、強烈な嫌味のパンチが効いているから。最後の静寂は得体の知れぬ空しさを誘うんである。でもまあ、全ての人に見て欲しい映画とは思えませんし、大真面目に鑑賞して、この映画のメッセージとは!とか考なくとも良いわけで。
悪趣味映画というと、映画史に燦然と輝くパゾリーニの『ソドムの市』ですけども、これはサドの原作で読んでおけば良いですな。わざわざ視覚化しなくてもよろしいような。ここまでくると、隠された哲学だ人間の本質だ何だというよりはもう、意味深なだけのエログロ。グロ。
澁澤龍彦の方は序文のみ。
- 作者: マルキドサド,Donatien‐Alphonse‐Francois de Sade,佐藤晴夫
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- 作者: マルキ・ドサド,渋澤龍彦
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