もなか

欧州ど田舎暮らしで母国語のアウトプットに飢えているのでネットの森に穴掘って王様の耳はロバの耳

N○K教育 聖なる怪物の人間講座

 昨夜、美輪明宏の人間講座『愛と美①』を見た。常々、このお姐さまの説く美は、なんか単なる懐古趣味っぽいなと思っていた。絢爛豪華な虚像美というか。何かの番組で自宅公開を見たとき、ロココ調やらアールデコやらなにやら、とにかく古きヨーロピアンなら何でもいいのか?というほど眩しかった。その美意識の行き着く先が、あの蛍光イエローの髪なのかと思うと、どうだかなと思っていた。『黒蜥蜴』行きたいな、と思いつつ『エディット・ピアフ』に行ってみて、音響の悪さにしょんぼりしたことがある。
 しかし、薔薇に囲まれて語るそのお話に引き込まれる。茨城のり子の『わたしが一番綺麗だったとき』の朗読は、思わず泣いた。あの慈愛に満ちた声が私を泣かせるのだ。
 のどかで美しかった時代が戦争によって破壊され、日本中から色が失われていくさま。簡単に消えてゆく周りの人間。被爆。戦後の価値観の激変。美徳とされたものが一夜でひっくり返る儚さ。
 経験知から語られる言葉は響くものがあった。これから毎週3ヶ月に渡ってあるらしい。興味で見てみたものの来週が楽しみ。