レスリーに会えず、ごっつぁんでした

　関西Queer Film Festivalというのが開催されていて、私はこういった映画祭に行ったことがなく、また比較的孤独な京都ライフなので、行こうかなぁどうしようかなぁと思っているうちに日々は過ぎ去り、前売り券の期間は終わり、一番見たかった『男生女相』は前売りで売り切れ。
　なのでどうせ当日も駄目だろう、日曜は閉じこもって独り映画大会でも開催しようと思っていた折、大阪在住の知人から連絡があり、これから京都に『藤田嗣治展』を見に行くのだが、もう見たろう？なれば今晩お食事でもどうですかと。尻尾ふって四条へ。
　京都移住後、会いたいですね、会いましょうよと繰り返しつつスケジュールのすり合わせが出来なかった方と、町屋風のエントランスを持つイタリアンへ。2人で喰って飲んで、貧乏な私としては驚く値段のお会計を、ぽおんと払っていただき、恐縮しながら帰ってまいりました。京都へ住み着いて3ヶ月半？思えばこの地で高いものを頂いたときは、いつだって自分の財布を痛めていないのではないかとチラッとよぎりましたが、お会計を持ってやると仰って下さる暖かい申し出を無碍にしてはならないという持ち前の素直さと思いやりの精神から、いつだって素直に甘えてしまいますごめんなさい。だってだって、20代までだろう？そんな、若い子扱いで可愛がっていただけるのは。いやもう大して若くもないんですけども。
　それにしてもああ嗚呼ああ、『男生女相』は行きたかったようおうおう。スタンリー・クワンは、レスリー･チャンの『ルージュ』くらいしか観てないです。主演は2人とも他界してしまったんですね…。あと、小津安二郎のオマージュかなんかも観たかしら。
　レスリーについては、私は彼が自殺した1週間は毎夜ベッドに入ると勝手に目から水が出てきた人なので、語るに語れないです。聞いた話では、香港人曰く株価も大荒れして大変なことになったそうです。本土返還以降、見る間に勢いを失くしていった香港映画が、彼の死で本当の終焉を迎えてしまったような気もしました。だからインファナル・アフェアは本当に嬉しかったですよ。
関西Queer Film Festival公式