もなか

欧州ど田舎暮らしで母国語のアウトプットに飢えているのでネットの森に穴掘って王様の耳はロバの耳

『SAW-ソウ2』きつい…

mxoxnxixcxa2005-10-30

 映画が観たい。映画館で観たい。コンパクトな画面じゃ堪能できないスペシャルセレクトを!というのが何でかノリ一発で『SAW2』に。
 もう…すごい…酷い…。思いつく限りの痛いこときついこと辛いことがぎゅうぎゅうに詰め込んである。思わず「わあ!」とか叫び、こめかみを押さえ、目を背け、気持ち悪くなりそうなのを踏みとどまった。観終わってぐったり。こういうのは自宅の小さな画面でひゃあ!とかわあ!とか言いながら和気藹々とみればいいものを、大画面で生々しい音に包まれて臨場感たっぷりで観るべきじゃないと心から思った。
SAW ソウ DTSエディション [DVD] 続編の出来る映画っていうのは1が相当面白いからで、その好評に乗っかって続きを作ってしまうと相当面白い1とおのずと比較される上に、話自体がかなり力技な為に結構な確立でゴミが多いんだけど、これはそうでもなかった。
 今回は緻密に張り巡らされ巧妙に仕組まれたゲーム部分よりは、極限状態に置かれた人間がどうなるか、みたいなどっちかというと『CUBE』寄りという感じ。途中いくつか、え、これは一体何のこと?とか、しつこくルール、ルール言われる理由とかが最後の最後で一挙に明かされ、うわあそういうゲームだったんだ…とぐったりした頭にもきちんと理解できるようにぶちまけられる。ジグソウのキャラも掘り下げられて説得力を増し、破綻なく納得させるラストで話としてはかなり面白かったんだと思う。ただでも、あまりに痛いことが多すぎて、本当に、なんでわざわざ観に行ったんだろう…。
 そうはいっても、終わってふらふらしながらもしっかりレストランの座席に座り、30分後には楽しくご飯を食べているんだから人間は強いと我ながら思った。しかし昔は酷いものほど笑って見ていられたんだけど、年をとった所為かこういうのがきつくなってきた。
 でも映画の残酷描写とか過激な映像は一体どこまで行こうとしてるんだ。見ているこっちまで痛くて苦しくなるようなこういう映画が娯楽になる現代って一体何なの。私の斜め前のやや太ったメガネの男子が、どんなキモくてグロいシーンでも微動だにせず見入っているのを見ると、この人はむしろ大丈夫だろうかと心配になった。私の後ろには白人男子が、いかにも白人男子が好きそうなああいうタイプの女と座っていて、なにかあると小さく「shit…」と呟くので、そんなことでなんとなく和んだりもした。