『CURE/キュア』
こいつは、ハリウッド的商業映画はクソ。ヨーロッパ映画しか認めないという思想に80%ほど侵されていた鼻持ちならぬ映画っ子だった青い私を、いえいえ日本映画は何も釣りバカだけじゃないわと目を覚まさせてくれた作品。「え?」「なに?」「誰が?」「あんた誰?」「おまえは誰だ?」 「不安はあんたの中にある」この言葉にぎくっとした人間は、癒し=救済を与えられる。「その時は、そうすることが自然だと思ったんです」
こいつも同じ期間配信中。でもニンゲン合格をみてすぐに続けてCUREは見ないほうがいいです。全部喰われちゃうから。
黒沢で面白いのはこのへん。『回路』は前半でわくわくさせて後半で空中霧散しがちという面がもろに出ていて、前半面白すぎる分、後半で腹が立ちました。
あと、日常に潜んだ凶器というと出色なのが『アメリカン・サイコ』これ。これを観ているとき、一緒に鑑賞していた人が「こんなものを観る必要はない!」と本気モードで怒り出し、映画よりもそっちの方がよっぽど恐かったのでいったん停止し、後でこっそり最後まで観たという痛ましい思い出もあります。