もなか

欧州ど田舎暮らしで母国語のアウトプットに飢えているのでネットの森に穴掘って王様の耳はロバの耳

whatever will be,will be

mxoxnxixcxa2008-12-07

 泣くほど悔しい思いとか、泣くほど悲しいこととか、とかく日々の些末な諸々に心折れて泣くということをしなくなったなあって思いながら、古都の街を息を白くさせながらぽてぽて歩いていたんである。そんなことはどうでもいいやと思うくらいには鈍磨したみたいなんである。
 私は鈍くなったなぁいや強くなったのか。私は図太くなったなぁいや逞しくなったのか。私はずるくなったなぁいや賢くなったのか。私は図々しくなったなぁいや処世術を知ったのか。
 愛想笑いも上手くできる。興味のない話にだって喰いつくフリが出来る。その場のテンションに適当に会わせることも出来る。好感を抱かれやすい話し方も覚えた。対話相手の欲しそうな言葉を投げることも身につけた。プライドを高くして自分を保つことの愚かしさだって知った。失ったんじゃない。私は得たの。
 色んな感覚をもう忘れた。疑心暗鬼だとか根拠不在の絶望気取りだとかとか、青臭いゆえの息苦しさだとかとか、もはや何を思い出せないのかも思い出せないこの感じ。落としてきたんじゃない。得たの。
 ろうそくをふきけしてもねがいごとはかなわない。つきにうさぎはいない。ふぁーざーくりすますはわたしのちちだったし、ほしはしんだひとじゃない。ほとんどのゆめはかなわないし、にじのかなたなんてない。失くしたんじゃない。わたしは大人になったのだ。